2009/09/13

ドイツの旅行記その1・今なお復興期

8月後半にドイツを旅行しました。記憶が薄れないうちに、印象的だったことを書いてみたいと思います。

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ドレスデンでも、ベルリンでも、ポツダムでも、立ち入り禁止の更地や工事現場をたくさん見かけました。第二次大戦中、ドイツは国内が戦場になりましたし、爆撃を受けたドレスデンやベルリンは徹底的に破壊されました。また、東西ドイツに分裂していた時期は、「壁」があるために物理的に建物を修復出来なかったり(ベルリンのブランデンブルグ広場近辺など)、経済的理由で破壊された建物が放置されていたり(特に東ドイツ)、という場所が多かったのだと思います。そのため、今なお第二次大戦からの、そして東西冷戦からの復興期なのだと感じました。

日本だと、あちこちで工事が行われていると、「人気取りのばらまき、税金の無駄遣い」と感じてしまいます。ドイツでの「復興」には、誰がお金を出しているのでしょう?この疑問に、学会で知り合ったドイツ人が答えてくれました。曰く、「ドイツでは『統一税』のような税金があり、それがあちこちの工事の資金になっている。ただ、旧東独地域の街並みが新しくなる一方、西側が古いままということが結構あり、西側市民の間には不満も多い」とのことでした。

彼によると、旧東ドイツ地域ではあまり仕事がなく、賃金が安いため、西側へ移住する人が多いそうです。何でも、この20年で人口の半数が流出した都市もあるとか。統一のプロセスがいかに大変なものかを示す一例だと思います。ただ、彼自身は西側からCottbusという東側の都市に移住していて、自然が多い住環境に大変満足しているそうです。また、待機児童なしの公的保育など、旧東ドイツの優れた制度を取り入れても良いのではないか、とも言っていました。

新しい建物や人々の会話から、第二次大戦、東西冷戦という大きなマイナスから立ち直るという歴史的なプロセスを実感できるのが、他の国にはないドイツの魅力だと感じました。

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