2010/01/21

ベルギービール・ラリー(2010年1月第4週分)

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1. “Biolegere”. ちょっと渋いような、それでいてフルーティな香り。この香りというか風味というか、Dupont醸造所のビールに共通している気がする。口に含むと、柑橘っぽい爽やかさで、そのまま一気に飲むとひんやりした喉越しが心地よい。後味は割と苦い。アルコール度数3.5%と低めで、とても飲みやすい。夏にグイグイ飲みたいビール。
2. “Mac Ben Scotch Ale”. イギリスのビールみたいな名前だが、ベルギーで醸造されている。 一口飲んで「うわー、甘!」と感じた。とにかく甘過ぎ。ちなみに、「スコティッシュエール」は伝統的なスコットランドのビールで、「スコッチエール」は、スコットランドで生まれたのは同じでも、ベルギー市場を意識して作られた輸出用のビールだとか(『
知識ゼロからのビール入門』より)。以前、新宿にあるスコティッシュパブ"Hazelburn"でスコティッシュエール"Belhaven Best"を樽生で飲んだことがあるが、今回飲んだものとは大違いだった。ホップの強烈な香りとか、パンチの効いた苦味などはなかったように思うが、なんとも言えないまろやかさがあり、ほっと一息つくには最高だったことを思い出した。
3. “Modeste Tripel”. うまく表現できないが、気になる香りがある。もしかすると一緒に食べた生ハムの影響かもしれない。甘み、酸味、苦味のバランスが取れているように感じた。後味ちょっとスパイシー。が、香りが気になってあまり美味しいとは思わなかった。
4. “Maes zero”. ベルギーに来て初めて飲んだノンアルコール(低アルコール?)ビール。ライム風味だが甘すぎず、さっぱりしていて飲みやすい。日本のものより美味しい気がする。
5. “Bush Prestige”. オーク樽で寝かせたスペシャルビール。香りも味も全てがまろやか。「華やか」とか「苦い」といった際だった特徴があるわけではないが、バランスが取れていて存在感がある。アルコール度数13%だが、重すぎず飲みやすい(飲み過ぎ注意!)。特別な日に飲みたいとっておきのビール。

これまでに飲んだのは210種類。

2010/01/20

語学学校:ILTかCVOか・・・

先日、「語学学校を変える予定」と書きました。本日、新しい語学学校に行き、レベル2のクラスに登録してきました。

語学学校を変えようと思った一番の理由は、授業についていくのが大変だったことです。というよりも、まともについて行けなかったので、正月三が日も勉強する羽目になり、やっとの思いでテストに受かることができたのでした。

私が通っていたのは、Instituut voor Levende Talen (ILT) というところです。月、火、木の夕方に、2時間ずつクラスがありました。木曜の1時間目は、視聴覚室でリスニングの訓練をしました。まずは、リスニングの教材をご紹介しましょう。





歌が教材の時は、単語の一覧と歌詞が書かれた紙が配られ、歌の中に出てきた単語に丸を付け、書かれている歌詞の間違いを探します。ビデオの時は、やはり出てきた単語選びと○×問題、それに記述問題がありました(例えば、馬の名前とその由来を書け、など)。私の場合、9月にクラスが始まった時から最後まで、設問の半分も答えることができた試しがありません。成績に影響するテストではないですし、先生も「分からなくて当たり前だから」などと言うのですが、「自分の耳が悪いのか、オランダ語が難しすぎるのか・・・」と自信をなくしました。

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次は、教科書の紹介です。写真のページはコースの半ばで勉強した箇所ですが、文章が長く、単語も多い気がします。予習をしていかないと授業の内容があまり理解できず、「語学の勘が悪いのか・・・」と、これまた自信をなくしました。ちなみに、コースで出てきた単語は約700語で、文法は間接話法、関係代名詞の一部、未来形、現在完了形などを習いました。一方で、買い物や病院で使う言い回しなどは習わなかったので、後になって「ILTのコースは単語や文法に偏っていて、あまり実用的とは言えないのでは」と思うようになりました。

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一方、こちらは今度通うことにしたCentrum voor Volwassenenonderwijs (CVO) の教科書です。左のページには航空券、右のページにはスーパーの広告が載っていて、大事な情報の読み取り方を学ぶようです。他のページには、スーパーの割引カードを申し込む方法が載っていました。いかにも実用的、という感じです。私の場合、簡単な会話ができ、スーパーや病院で困らなければ良いので、こちらの学校の方が目的に合っているようです。また、妻がCVOに通っていて、私より大分会話ができるようになったので(才能の差?いえいえ、語学学校の差ということにしておきましょう)、CVOに通うことにしました。

もう1つ、ILTとCVOには大きな違いがあります。ILTの教材は、テキスト、ワークブック、CDの3種類で、それぞれが約30ユーロです。一方、CVOの方はテキスト+ワークブック+CDがセットになって19ユーロです。また、授業料もILTの120ユーロ(大学の学生、職員は半額)に対し、CVOは60ユーロです。

このように書くと、ILTがダメダメのようですが、そうとも限りません。授業の内容は私には高度すぎましたが、先生は親切、丁寧でした。また、文法をみっちりやる分、オランダ語を本格的に学びたい人の基礎固めには向いているかもしれません。

なお、ILT、CVOの他に、Group T、CLTという学校もあるそうです(2010年1月22日追記:CLTにはオランダ語のコースはないそうです)。また、K. U. Leuvenが運営するPagaeaという学生カフェには、"Language exchange"という張り紙コーナーがあり、マンツーマンで日本語を教える代わりに、相手から母国語を教わるパートナーを探すことができます。これからルーヴェンでオランダ語を学ぶ方の参考になれば幸いです。


2010/01/19

ベルギービール・ラリー(2010年1月第3週編)

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1. “Wolf8”. Wolf 9に似た味わいだが、もっとコーヒーの風味が強く、オイリーな感じもする。やはり酸味がかっているが、Wolf 9よりもコクがあっておいしい。保存状態の良さそうなのを見つけたら、もう一度飲んでみたい。
2. “Augustijn Blond”. 香り華やか、甘苦くてフルーティ。Leffe Blondに似た系統の、いかにもブロンドエールという感じのビール。以前飲んたときは酸っぱくて飲めたものじゃなかったが、今回は保存状態が良かったのか、なかなかおいしかった。
3. “Bon Secours Bruine”. 買ってから一日置いたのに、開栓したらシャンパンのように吹きこぼれた。瓶内発酵が進んでいたということ?コーヒーの様な風味がしっかりあり、後味は結構苦い。発酵のせいなのか、酸味も感じられる。濃いめで好みだが、酸味がない方がベター。
4. “Bon Secours Blonde”. ホップよりも、アルコールの香りの方が強い。ほんのりフルーティでスパイシーさも感じるが、炭酸が少ないせいか、水っぽく感じる。後味はかなり苦い。同じ銘柄なら、Bruinの方がおいしい。

これまでに飲んだのは205種類。

2010/01/18

Ik ben voor het examen geslaagd!

いやー、何とかなるものですね。受かりました、オランダ語の試験。良かったー。

試験は3日間にわたりました。初日は45分間のリスニングと、同じく45分間のリーディング。2日目は正味2時間の筆記テストで、単語、文法、書き取り。最終日は二人一組で15分間の会話。会話以外のテストは終わった人から帰れるので、制限時間の半分くらいで席を立つ人もいました。もちろん、私は制限時間一杯まで見直し、修正、見直し・・・と粘りました。

何の試験かと言えば、レベル1の卒業検定です。これに通らなければ、次のレベルに進むことができません。全ての項目で5割以上を取り、かつ合計が6割以上、というのが合格基準です。私の場合、合格しなかったとしても何ら問題はないのですが(もう一度レベル1をやり直せば良いだけのこと)、9月下旬から、週3日1回2時間の講義に投資した時間がもったいないので、何とか受かりたいと思っていました。

習い始めた動機は、「オランダ語を話す地域に来たから」という至ってあいまいなもの。気合いが入ってない割には、仕事の後に授業に行くのが大変で、内容について行けないのがつらく、何度かやめてしまえ、と思いました。実際、約30人クラスの内約1/3、アジア人に至っては5人のうち3人が脱落しました。それでも続いたのは、だんだん、フランダース人の同僚ともうちょっと仲良くしたい、という目標が出てきたから。人なつっこいラテン系の人々と違い、彼らはどちらかといえば閉鎖的な感じがします。ですが、オランダ語で話しかけると、ちょっと様子が違います(例えば、現在完了形を使っていかに卑猥なことを言うか、を教えてくれたり・・・)。

そんなわけで、レベル2に進みたいと思っています。実は、語学学校を変えようと考えているのですが、その理由については次回お話しします。

2010/01/12

ベルギービール・ラリー(年末年始編)

年明け以降、バタバタしていたので更新が滞りがちです。なぜ忙しかったかといえば、オランダ語の試験があったから。何と、生まれて初めて正月三が日に勉強しました。その苦労と、テストの結果は来週お伝えすることにして、今回は年末年始に飲んだビールの紹介です。

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1. “Brugge Tripel”. 香りも味もおとなしめ。苦みもあまり感じられない。食事と一緒に飲むには良いかも。
2. “Achouffe”の”Mc Chouffe”. ラベルが秀逸で、ビール祭りでキャラクターグッズ(小鬼がかぶっている帽子など)が売れているのも頷ける。が、味は冴えない。カラメルっぽい甘い香りで、味わいは甘ったるくない。口に含んだ時から苦く、後味もかなり苦い。苦みが突出している感じ。妻に言わせると、「まろやかさ、深みに欠け、苦みだけが残る」。
3. 日本食ショップ「田川」で購入した「欧和」。ホップの華やかな香り。ほんのりカラメルの甘い香りも。さっぱりした飲み口で、甘みや苦みはそれほど感じられない。日本のビールのように飲みやすく、香りはブロンドエール+Dubbelといった感じ。ラガービールだと思い込んでいたので、意外性もあって美味しく感じた。
4. Gentにあるビールバー、”Het Waterhuis aan de Bierhuis”で飲んだ”Gandavum Dry Hopping”. ここのオリジナルビール。ドライホッピングとは、発酵中・熟成中のビールにホップを浸し、香りを移す作業のこと。確かにホップの香りが強烈で、味わいはフルーティかつ苦い。アメリカンIPAを思わせる。”Bittere Waarheid”や”Houblon Chouffe”に似た味わい。久々に、一口飲んで「うまい!」と感じたビール。
5. 同じく ”Het Waterhuis aan de Bierhuis”のオリジナル、”Klokke Roeland”. アルコールの甘い香りと、ホップの香りのバランスが良く、とてもフルーティに感じる。茶褐色の色から甘く重い味わいを予想したが、甘ったるくはなく、カラメルの風味とフルーティさ、苦さがマッチしている。アルコール度数11%だが、とても飲みやすい(その分、後で酔いが回った)。「1グループ3杯まで!」と限定されているだけあって、こちらもかなりおいしい。
6. ”Jossenhofke Blond”. Popperinge のビール祭りで飲んだのと同様、ほんのりソーセージの様な香り。ホップが酵母が特殊なのか?が、嫌な感じはせず、良い意味でこのビールの個性になっている。味わいはフルーティで飲みやすい。
7. ”Postel”. ホップと少々のカラメル香。少し酸味がかっていて甘すぎない。後味の苦みは控えめ。ちょっと薄くて水っぽいが、味のバランスは好み。
8. “Wolf9”. ホップの香りが強い。後からコーヒーの様な香りも感じる。香りは良いが、味はちょっと酸味が強すぎる。保存状態が良くなかったのかもしれない。

これまでに飲んだのは202種類。いつのまにか200種類を超えていた・・・。

2010/01/11

ベルギービール・ラリー(クリスマスエール編・その2)

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1. ピンクの象がトレードマークの、"Delirium Christmas”. アルコール香に混じってほんのり甘いカラメル香。飲み口はまったく甘くなく、最初から後味に至るまで苦い。これまでに飲んだクリスマスエールに良くある系統の味だと感じたが、これといった特徴がなくあまりおいしいとは思わなかった。通常版の”Delirium Tremens”の方が好み。
2. “Bush Noel”. カラメルとアルコールのバランスが取れた良い香り。味は、香ばしいキャラメルのよう。が、甘すぎず、後味はしっかり苦い。これまでに飲んだクリスマスエールの中ではかなり美味しい方で、食後にじっくり飲むのに最適。
3. "Gordon Xmas". 茶褐色で、カラメル香がある典型的なクリスマスエール。甘さ控えめで後味は結構苦い。まあまあおいしいが、"Bush Noel"の方がまろやかでうまい。

これまでに飲んだのは194種類。

2010/01/02

元旦と日本人の信仰

新年早々、重いテーマになりました。海外で元旦を過ごし、いろいろ感じるところがあったからです。

一昨日の晩は学生の飲み屋街、Oude Marktでカウントダウンイベントがありました。妻のブログにも書いてあるので詳細は割愛しますが、DJがダサダサだったからなのか、それともフランダース人の気質なのか、今ひとつ盛り上がりに欠けるなあ、という感じがしました。

帰宅して、日本では除夜の鐘をつきに行ったり、初詣に行って破魔矢を購入したりしていたことを改めて振り返りました。そして、日本での元旦の過ごし方は、静かに一年を振り返り、新しい年に向けて気持ちを新たにする、良い区切りになっていたのだなあと思いました。

ところで、そもそもなぜ新年を祝うのでしょうか?クリスチャンがクリスマスを祝う理由ははっきりしていますし、ミサで一年を振り返ったり、新年に向けた決意を新たにしているのかもしれません。それに比べて新年を祝う意義が薄いので、こちらでのカウントダウンは単なるイベントに過ぎないのかもしれないと感じました。また、それに対して、日本ではなぜ新年が大切なのでしょう?

そう思い、妻と二人で調べてみると、いろいろとおもしろいことが分かりました。新年を祝う由来は、冬至が過ぎ、日が長くなることを喜ぶ太陽信仰にあるらしいこと。クリスマスが12月25日なのも、太陽神を信仰するミトラ教の儀式に由来しているという説があること。新暦の元旦と、冬至がずれている理由。鏡餅が丸いのはなぜか・・・。詳しく書くときりがないので、一つおもしろい数字を紹介したいと思います。

昨年、初詣の参拝者数は、トップ10の神社だけで約2500万人(http://www.mapple.net/sp_newyear/ranking_01.asp)。日本全国だと、約9000万人にもなるそうです(http://ja.wikipedia.org/wiki/初詣)。これは、メッカの巡礼者数(約300万人)を遙かに凌ぐ数字です。もちろん、信仰の深さ、巡礼の重み、メッカに行くまでの困難を考えれば、単純に数字を比較することはできません。それでも、日本人の約3/4というこの数字が、日本人にも信仰心、宗教心のようなものがあるのだということを物語っている気がしてなりません。

多くの日本人が、「宗教を信じない」と考えています(http://www.christiantoday.co.jp/main/society-news-315.html)。私もかつてはそう思っていました。しかしながら、いつの頃からか、無宗教なのに、除夜の鐘をつき、破魔矢を買い、タリバンの大仏爆破に憤ったのはなぜ?という疑問が湧いてきました。確固たる結論が出たわけではないのですが、今のところ、「自分は特定の宗教は信じないが、日本古来の自然信仰のようなものが、体に染みついている」と考えています。また、同じような視点で書かれた本を見つけたので(http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001937.html)、是非読んでみようと思いました。

そんなこんなで、日本にいるときとは違った形で、いろいろ考える正月になりました。