2010/01/02

元旦と日本人の信仰

新年早々、重いテーマになりました。海外で元旦を過ごし、いろいろ感じるところがあったからです。

一昨日の晩は学生の飲み屋街、Oude Marktでカウントダウンイベントがありました。妻のブログにも書いてあるので詳細は割愛しますが、DJがダサダサだったからなのか、それともフランダース人の気質なのか、今ひとつ盛り上がりに欠けるなあ、という感じがしました。

帰宅して、日本では除夜の鐘をつきに行ったり、初詣に行って破魔矢を購入したりしていたことを改めて振り返りました。そして、日本での元旦の過ごし方は、静かに一年を振り返り、新しい年に向けて気持ちを新たにする、良い区切りになっていたのだなあと思いました。

ところで、そもそもなぜ新年を祝うのでしょうか?クリスチャンがクリスマスを祝う理由ははっきりしていますし、ミサで一年を振り返ったり、新年に向けた決意を新たにしているのかもしれません。それに比べて新年を祝う意義が薄いので、こちらでのカウントダウンは単なるイベントに過ぎないのかもしれないと感じました。また、それに対して、日本ではなぜ新年が大切なのでしょう?

そう思い、妻と二人で調べてみると、いろいろとおもしろいことが分かりました。新年を祝う由来は、冬至が過ぎ、日が長くなることを喜ぶ太陽信仰にあるらしいこと。クリスマスが12月25日なのも、太陽神を信仰するミトラ教の儀式に由来しているという説があること。新暦の元旦と、冬至がずれている理由。鏡餅が丸いのはなぜか・・・。詳しく書くときりがないので、一つおもしろい数字を紹介したいと思います。

昨年、初詣の参拝者数は、トップ10の神社だけで約2500万人(http://www.mapple.net/sp_newyear/ranking_01.asp)。日本全国だと、約9000万人にもなるそうです(http://ja.wikipedia.org/wiki/初詣)。これは、メッカの巡礼者数(約300万人)を遙かに凌ぐ数字です。もちろん、信仰の深さ、巡礼の重み、メッカに行くまでの困難を考えれば、単純に数字を比較することはできません。それでも、日本人の約3/4というこの数字が、日本人にも信仰心、宗教心のようなものがあるのだということを物語っている気がしてなりません。

多くの日本人が、「宗教を信じない」と考えています(http://www.christiantoday.co.jp/main/society-news-315.html)。私もかつてはそう思っていました。しかしながら、いつの頃からか、無宗教なのに、除夜の鐘をつき、破魔矢を買い、タリバンの大仏爆破に憤ったのはなぜ?という疑問が湧いてきました。確固たる結論が出たわけではないのですが、今のところ、「自分は特定の宗教は信じないが、日本古来の自然信仰のようなものが、体に染みついている」と考えています。また、同じような視点で書かれた本を見つけたので(http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001937.html)、是非読んでみようと思いました。

そんなこんなで、日本にいるときとは違った形で、いろいろ考える正月になりました。

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