1. “Gouden Carolus Classic”. 甘いカラメルとアルコールの香り。味もやはり甘い。ちょっと甘すぎる感じがして、あまり好きではない。
2. “Arabier”. 泡立ちが良い。ほのかなホップの香り。口に含むと、強めの炭酸と苦み、ほんの少しの甘みを感じる。苦みは長く続かず、後味はさっぱり。アルコール度数8%とは思えない飲みやすさ。ちょっとぬるめの方が、香り、味わいともに豊かで美味しく感じられる。
これまでに飲んだのは128種類。
8月後半にドイツを旅行しました。記憶が薄れないうちに、印象的だったことを書いてみたいと思います。
ドレスデンでも、ベルリンでも、ポツダムでも、立ち入り禁止の更地や工事現場をたくさん見かけました。第二次大戦中、ドイツは国内が戦場になりましたし、爆撃を受けたドレスデンやベルリンは徹底的に破壊されました。また、東西ドイツに分裂していた時期は、「壁」があるために物理的に建物を修復出来なかったり(ベルリンのブランデンブルグ広場近辺など)、経済的理由で破壊された建物が放置されていたり(特に東ドイツ)、という場所が多かったのだと思います。そのため、今なお第二次大戦からの、そして東西冷戦からの復興期なのだと感じました。
日本だと、あちこちで工事が行われていると、「人気取りのばらまき、税金の無駄遣い」と感じてしまいます。ドイツでの「復興」には、誰がお金を出しているのでしょう?この疑問に、学会で知り合ったドイツ人が答えてくれました。曰く、「ドイツでは『統一税』のような税金があり、それがあちこちの工事の資金になっている。ただ、旧東独地域の街並みが新しくなる一方、西側が古いままということが結構あり、西側市民の間には不満も多い」とのことでした。
彼によると、旧東ドイツ地域ではあまり仕事がなく、賃金が安いため、西側へ移住する人が多いそうです。何でも、この20年で人口の半数が流出した都市もあるとか。統一のプロセスがいかに大変なものかを示す一例だと思います。ただ、彼自身は西側からCottbusという東側の都市に移住していて、自然が多い住環境に大変満足しているそうです。また、待機児童なしの公的保育など、旧東ドイツの優れた制度を取り入れても良いのではないか、とも言っていました。
新しい建物や人々の会話から、第二次大戦、東西冷戦という大きなマイナスから立ち直るという歴史的なプロセスを実感できるのが、他の国にはないドイツの魅力だと感じました。
1. “La Trappe Witte”. 小麦ビールらしい華やかな香りと、その割には重めの飲み応えが印象的。
2. “Bink Blond”. 爽やかな麦とホップの香り。口に含むと柑橘のような甘酸っぱさがあり、後味はしっかり苦い。飲みやすくておいしい。
3. “Moinette Bruin”. 果実の香り、しっかりとした酸味があり、ほんの少しカラメルのような重さが感じられる。爽やかなので、以前紹介した”Hapje-Tapje”で飲んだときはフルーツビールを間違えて出されたかと思ったが、やはり普通のブラウンビールとは異なる味わい。アルコール度数8.5%とは思えない飲みやすさ。
これまでに飲んだのは126種類。
9月4, 5, 6日の週末、ブリュッセルのグランプラスで”Belgian Beer Weekend”という催し物がありました。名前の通り、多数の醸造メーカーが一堂に会して、いろんなビールが飲めるという素敵な企画です。以前紹介した『死ぬ前に飲みたいベルギービール100選』に載っている銘柄も飲めるということなので、丸2日間の休肝日を設けて体調を整え、6日(日)にはりきって行ってきました。
お昼過ぎに会場に着くと、身動きが出来ないほどの賑わいです。もらったパンフレットによると、テントが24個あり、30の醸造所が参加しているということでした。
まずは、会場外の窓口で王冠を買います。会場ではお金は使えず、王冠とビールを交換するシステムなのです。王冠1個=1ユーロで、1杯王冠2個から5個まで、いろいろなビールがありました。とりあえず15ユーロ分交換して、いざ出陣!です。
会場に入ると、赤い帽子を被った人がたくさんいました。”Achouffe”という醸造所のキャラクターグッズで、小鬼が被る帽子です。渋いおじさまも被っていて、なかなかお茶目な感じです。テーブルには飲み終わったグラスが放置されたままになっており、石畳の地面はこぼれたビールでべたべたします。ん、何か臭うぞ・・・。どうやら、犬の排泄物(もしかして人の!?)のようです。あいにくの曇り空でしたし、落ち着いてじっくりビールを楽しめる環境ではありませんでしたが、そんなことに構ってはいられません。ベルギー人だけでなく、南アフリカ人、イギリス人、アメリカ人、たくさんのイタリア人、中国人、そして日本人もちらほらいて、皆がワイワイがやがや楽しそうに飲んでいます。我々も、ただひたすら飲むのみ!
1. 好きな醸造所の1つ、Dupontの”Bio Fruits”. ほのかにリンゴのような甘い香り。フルーツビールだが甘ったるくなく、酸味と同時にしっかりした苦みがある。妻は「もっと甘いのが好み」と言っていたが、私にはこれくらいのバランスがちょうど良い。大変爽やかで飲みやすい。この日の1番。
2. Bavikの”Wittekerke Witbier”. 本当は別の醸造所の小麦ビールが飲みたかったのだが、売り切れていたので仕方なくこちらに変更。ほとんど香りはなし。しっかりした苦みがあって飲みやすい。まあまあ、といった感じ。
3. Boonの”Oude Kriek Boon”. わずかな甘い香り。味はかなり酸っぱい。飲んでいるうちに気がついたが、ちょっと腐敗臭っぽい香りもする。これが乳酸香というやつ?飲み口は割合さっぱりしているが、あまり好みではない。
4. Dupontの”Moinette Blond”. 強烈な苦みと、かすかな甘みを感じる。今まで飲んだベルギービールのなかで一番苦い。苦みのためかさっぱりした感じだが、飲んだときはそれほどおいしいと感じなかった。が、この記事を書いているうちに、もう一度飲みたくなるから不思議。うまく言葉に出来ない味わいがあったのだろうか。
5. Bavikの”Petrus Aged Pale”. 『死ぬ前に・・・』の本で「ペールエールをオーク樽で寝かせた普通でない、しかし本物のビール」と紹介されていたので、かなり期待した。飲んでみると・・・酸っぱい!ペールエールの味を想像していたので、かなりビックリ。果実の香り、ランビックビールのような酸味、かすかな塩味もあって、とても複雑な味わい。でも、普通の美味しいペールエールの方が好み。
6. 小鬼がトレードマークのAchouffeが作っている”Houblon Chouffe”. “Dobbelen IPA Trippel”と銘打っているだけあって、紛れもないIndia Pale Aleの味。ホップの甘い香り、飲み口と後味のしっかりした苦み。アメリカのIPAを飲んでいるかのようだが、香りは強烈な柑橘とは異なり、ちょっとまろやか。味覚があまり鋭敏でないので、このようなパンチの効いた味はかなり好み。
7. Van DenBosscheの”Buffalo Belgian Stout”. アルコール度数が前のものより低いせいか、ちょっと物足りない感じがした。が、ぬるくなるにつれて、甘い香りと甘みが立ってきて、ほんのりした酸味とちょうど良い感じに。Guinnessと同じスタイルだが、こっちの方が複雑な味わいで好み。
8. この辺から大分酔いが回ってきて、記憶がだんだんあいまいに・・・。カタツムリがトレードマークのCaracoleが作っている”Caracloe Amber”. メモには「カラメル香、酸味、後味も」と書かれている。酔っぱらって味覚が鈍ったせいもあり、あまり印象がない。
9. 妻が飲んだVan Honsebrouckの”Bacchus Framboise”. しっかり甘くて、正統派フルーツビールと言った感じ。妻は「おいしい」と喜んで飲んでいた。
10. 最後は超有名トラピストビール”Westvleteren”で締めたかったのだが、あいにく売り切れ。仕方がないので第二候補のAbaye du Val-dieuが作る”Val-dieu Gran Cru”を飲むことに。メモには「カラメル香、飲みやすい。苦みが少ない」と書かれているが、やはり記憶が曖昧・・・。
そんなわけで、途中で2回の休憩(フライドポテト&ベルギーワッフル)を挟みつつ、約5時間で10杯飲みました。久々に記憶が飛びましたね。最後の2-3杯は良く味わえず、もったいないことをしました。来年は最低2日間、できれば3日間参加して、じっくり飲もうと心に決めました。
参考までに、今回参加の醸造所とビールの一覧のリンクを下記に記します。
http://www.weekenddelabiere.be/en/pages/Bierkaart.pdf
これまでに飲んだのは122種類。
8月後半は、学会に参加するためにドイツに滞在しました。ドイツはベルギー以上にビールの種類が多いそうです(”Good Beer GUide Germany”という本の紹介文には、「7200種類以上のビールを掲載」と書かれています)。当然、飲みましたね。後で数えてみたら、だいたい30種類ありました。印象深いものを中心にご紹介したいと思います。
1. うまかったビール
i. “Dresdner Felsenkeller Pilsner”. 日本のメジャーなビールと同じピルスナービールですが、ドイツのものは香り、味ともにもっとコクがある気がします。今回飲んだ中ではこれが一番うまかったです。もっとも、晴れた日のエルベ川沿いで、オープンテラスで風に吹かれながら、という最高のシチュエーションで飲んだからかもしれませんが。他のピルスナーでは、”Berliner Kindl”, “Rex Pils”も良かったです。
ii. ドレスデンにある醸造所直営のレストランで飲んだ”Freiberger Kellerbier(右)”. 酵母が残っているせいか、フルーティかつ新鮮な感じで大変飲みやすかったです。今回の一番。
iii. “Duckstein Weizen”. ドイツのスーパーでは、普通のラガービール(500 ml)が0.8-0.9ユーロで売っています。これは倍以上の2ユーロ。高い買い物をした甲斐があり、ヴァイツェン(小麦を使ったビール)にしては重厚で味わい深く、「ヴァイツェン」というジャンルの印象が変わりました。
2. ドイツ人の飲みっぷり
ドイツには、「ビールの原料は水、麦芽、ホップ、酵母に限る」という「ビール純粋令」なる法律があり、何でもありのベルギーと比べると味のバラエティーは乏しいと感じました。その代わり、ということなのでしょうか、ドイツ人は飲む量が多い気がしました。ベルギーのカフェでは、250か330 mlのビールをワイングラスのようなグラスに注ぎ、1杯飲むのに30分とか1時間かけながら飲みつつおしゃべりに興じる人が多いです。ドイツでは、黙って500 mlのジョッキをぐいっとあけ、2杯、3杯とおかわりする人も珍しくありませんでした(私はどちらかというとこっちのタイプですね)。また、ルーヴェンでは路上で飲んでる人はあまりいませんが、ベルリンでもドレスデンでも、昼間からビール瓶を片手に歩いている人を良く見ました(女性も多かったです)。日本のビール酒造組合のホームページによると、ドイツ人は年間1人あたり大瓶176本分のビールを飲み、これは日本人の2.3倍にあたるそうです。ちなみに、ベルギー人は日本人の1.7倍、135本ということです。
3. ドイツにもBierbikeが!
ドレスデンとベルリンで、以前紹介したオランダの”Bierbike”と同じものを見かけました。ドレスデンの方は少人数で瓶ビールしか飲めないようでしたが、ベルリンの方は10人以上乗れ、生ビールも飲めるようでした。派手にベルを鳴らし(そこのけそののけ、という感じです)、沿道の人に手を振ったり、歓声を上げたりしていて、生で見るとやっぱり楽しそうです。是非ベルギーや日本にも広がって欲しいものです。