2009/07/20

渡航準備 - ビザ取得編

公的機関に所属する若手研究者の場合、海外赴任と言っても、自分自身が赴任を希望し、そのための奨学金を自分で調達することが多いと思います。職務上命令されて行くわけではないので、当然、ビザ取得や引越の手続きも全て自分でやらなくてはなりません。今回は、ビザ取得に関するあれこれを紹介したいと思います。

1. 大使館への連絡はFAXで
ビザを取得するために何が必要か全く情報がなかったので、まずは在日本ベルギー王国大使館に連絡を取りました。数回電話→担当者にコンタクトできず→メール→返信なし→再度電話、というステップを経て、ようやく連絡がつきました。担当者(日本人)によると、「強力なスパムフィルタを使っているので、通常のメールも届かない場合が多い。連絡はFAXでお願いします」とのこと。電話に出た大使館員?(ベルギー人)は「メールで大丈夫です」と言っていたのだけど・・・。以後、不明な点について何度かFAXを送りましたが、だいたい翌日には丁寧に回答してもらえました。

2. 申請するビザの種類

1) 本人
大使館からもらった資料によると、研究者のビザには、「労働許可証を添えて申請するもの」「ベルギ-で滞在する大学からの招待状(労働許可証が免除される根拠となる法律の条・項・号が記載されているもの)を添えて申請するもの」の2種類があります。労働許可証は受け入れ先にいろいろ書類を送らないと取れないので、最初は後者のビザ申請を目指していました。ところが、受け入れ先が「労働許可証を申請してくれ」と言ってきたので、前者の方に切り替えました。また、大使館の職員によると、労働許可証があれば、本国照会が不要なためビザ申請後約1週間でビザが受け取れるそうです。

2) 家族
大使館からもらった資料には、「労働許可証、Type Dビザ取得者の家族は、ビザなしでOK」と書かれています。しかし、以前Leuvenに留学していた同僚や、K.U.Leuvenの冊子 “Traveling to Leuven”の “Re-entry VISA”の項目によると、「入国はできるが、一年以内に出国すると再入国できない」とのこと。私たちの場合は、入国して2ヶ月後にドイツで開催される学会に参加する予定がありましたし、「いざという時日本に帰れない(帰ると最初からやり直し)」というのは面倒なので、妻もType Dのビザを申請することにしました。

3. ビザ申請に必要な書類
全部を説明するのは難しいので、下の図を参考にして下さい。ここでは、面倒な書類をピックアップして紹介します。

https://files.getdropbox.com/u/464393/Belgian%20Beer%20Belly/VISA手続き.png

1) オランダ語の健康診断証明書(労働許可証申請用)
まず、KULのHuman Resouces Departmentから様式をもらいました(労働許可証を申請する旨連絡すると送られてきます)。ベルギー大使館は聖路加国際病院が国際赤十字病院での健康診断しか認めていないので、私は比較的近い聖路加で受診することにしました。聖路加は月曜しか健診をやっておらず、しかも混んでいるので早めに予約した方が良いです。また、受診の際にオランダ語様式を提出して「こちらにも結果を記載して下さい」とお願いする必要があります。健診料+オランダ語の診断書作成でかなりのお金が必要です。

2) 無犯罪証明
申請と、約一週間後の受け取りの両方とも県警本部に行かなくてはなりません(受け取りは本人、配偶者のどちらかのみでも可能です)。平日しかできないので、あらかじめ休みを取らなくてはなりません。また、証明書を未開封のまま外務省に持ち込み、書類が本物である証明(アポスティーユ)を受ける必要があります。

3) 戸籍謄本
これは、家族が本当に家族であることを証明するために必要なようです。こちらもアポスティーユが必要です。さらに、ベルギーでの住民登録用に提出するために、オランダ語に翻訳しさらにアポスティーユを受けなければなりません。ややこしいので、大使館推奨の業者に依頼しました。なお、翻訳には約2週間かかります。

4) 書類を準備するタイミング
大使館への提出書類は、3ヶ月以内に発行されている必要があります。また、ベルギーでの住民登録に流用できるものもあるので、渡航2ヶ月前(現地でも1ヶ月の有効期間を残しておく)に揃えるようにすると良いかと思います。

4. ビザ申請
必要書類を揃えて、大使館に行きます。申請書そのものは、担当者が書き方を教えてくれます。前述の通り、労働許可証がある場合は申請から約1週間でビザが発行されます。なお、申請時にパスポートを預け、ビザを貼り付けてもらうことになるので、その間パスポートは使えません。

(※ここで紹介した情報は2009年6月時点のものです。実際の申請に際しては、大使館からの最新情報を確認して下さい。)

0 件のコメント:

コメントを投稿