2010/05/26
ベルギービール・ラリー(2010年5月26日分)
1. “Gouden Carolus Cuvee van de Keizer Blue 2009”. はっきりしたカラメルの甘い香り。飲み口もかなり甘い。2009年産なので、熟成が足りないのかもしれない。それでも、甘ったるい感じはせず、適度に重くて良いバランス。おいしい。
2. “Witkap-Pater Stimulo”. ホッピーで爽やか。アルコール度数低めで飲みやすい。が、Taras Boubaと比べるとちょっと味が薄くて物足りない。3. “Witkap-Pater Dubbel”. ホップの華やかさとカラメルの甘みが程よく混じり合った良い香り。甘さ控えめ、酸味がちょっと効いていて、Dubbelにしてはサッパリ目の味わい。なかなか美味しい。
4. “Witkap-Pater Special”. ほんのりカラメルの香り。アルコール度数は5.5%と低めで、dubbelをもっと軽くしたような味わいだが、後味は苦め。炭酸少なめでちょっと水っぽく感じる。ちょっとぬるめの温度で飲んだが、かなり冷やした方がごくごく飲めて美味しいかもしれない。
5. “Super des Fagnes Blonde”. 甘さと薬っぽさが混じった様な、それでいて爽やかな香り。飲むと舌がちょっとピリピリするような刺激と、ほんのりした甘み、酸味が感じられる。後味は苦い。ちょっと変わった美味しいビールを飲むのは久しぶり。
これまでに飲んだのは252種類。
2010/04/27
政権崩壊
さて、今回、そしてここ最近の政権崩壊劇の原因になっているのが、ブリュッセルとその周辺地域に設定されている「BHV選挙区」です。同僚から聞きかじったり、ネットで読みかじったりしたことをまとめると、
・Flemish-Brabant州の選挙区は東のLeuven、西のBrussels-Halle-Vilvoorde (BHV)の2つ。
・BHV選挙区はオランダ語・フランス語併用地域であるBrusselsと、オランダ語圏であるHalle-Vilvoordeから成っている。
・通常の選挙区では、言語境界線を越えて投票することはできない。例えば、Leuven選挙区では、オランダ語圏(ベルギー北部のFlanders)の政党に投票することはできるが、フランス語圏(ベルギー南部のWallonia)の政党には投票できない。
・一方、BHV選挙区は言語併用地域を含み、またフランス語を母語とする住人が多い地域を含むので、フランス語圏の政党にも投票できるという特例が認められている。
・オランダ語圏の住人からすると、上記の特例は不平等である(フランス語圏の選挙区で、オランダ語圏の政党に投票できるところはない)。一方、フランス語圏の住人からすると、特例はフランス語を話す人々の権利を守るために必要な措置である。
・オランダ語圏、フランス語圏の意見が鋭く対立しているため、BHV選挙区の境界線を仕切り直す(例えば、Brussels選挙区とLeuven-Halle-Vilvoorde選挙区に分ける)などの提案が成されているが、妥協には至っていない。
といった感じになります。「ベルギー言語紛争の縮図とも言えるのが、このBHVをめぐる対立だ」と指摘もあるくらい深刻な問題で、解決にはほど遠いようです。ベルギーに対して尊敬、憧れとも言える思いを抱いていた私にとっては、先日の大きな列車事故に引き続き、今回の一件は少なからずショックでした。
長くなったので、ベルギーの尊敬できるところ、またベルギーが抱えるもう一つの問題については、またの機会に書きたいと思います。
最後に、今日のランチで聞いた同僚のやり取りを紹介しましょう。
同僚A(ドイツ人):言語対立なんてさ、ドイツ語圏の人達に解決してもらえばいいんじゃないの。彼らは少数派だから、オランダ語圏、フランス語圏のどちらにも偏らず、中立、公平な立場で事態を収拾できると思うよ(※ベルギーにはドイツ語を母語としている人が約6万人いて、ドイツ語も一応公用語です)。
同僚B(ベルギー人):ああ、そういえば前にもドイツ人がそういう感じで問題を解決しようとしたことがあったね(※暗に、第一次、第二次大戦中のドイツ軍によるベルギー侵略のことを言っています)。
同僚A:そうそう、あれはさ、少なくともベルギーに関してはうまくいったと思うだけどねー。
・・・文字にするとかなりきついやり取りですが、彼らは終始笑顔で楽しそうでした。でも、私にはどこでどう笑えば良いのやら分かりませんでした。文化の違いを感じる一瞬です。
2010/04/25
ビール祭り at ABS Drinks
4月24日(土)、25日(日)の2日間、先日紹介した”ABS Drinks”という酒屋でビール祭りがありました。新しく研究室に入った同僚(キルギスタン人と中国人)を誘って出かけました。
ルーヴェン駅で待ち合わせ、そこから352番のバスに乗ってちょうど20分。酒屋の中で飲むのかと思いきや、店の裏手に巨大なテントが建っていて、そこが会場でした。
テントを通り抜けると、屋外にもテーブルと椅子がセットされていました。それに、子ども用の遊び場も。
目の前に広々とした畑が広がっていて、なかなか気持ちが良いです。快晴だったので、上半身裸になって日光浴をしつつ、ビールを楽しんでいるお客さんもいました。
今回、3人が一致して美味しいと感じたのがこれ。
Van Honsebrouck醸造所の”Cuvee du Chateau”. 10年寝かせたとかで、複雑かつまろやかな味わいでした。
この方は、ABS Drinksの店主Aさん。息子さんが2人いて、それぞれ名前の頭文字がBとS。全部合わせて”ABS” Drinksと名付けたのだとか。
このビール祭り、会場が広々していて景色が良く、ビールのお値段もかなりお手頃で、生ビール250 mlが1.2ユーロ(約150円)から、瓶ビール350 mlが1.8ユーロ(約225円)からでした。ビールの種類も約100種類と申し分ありません。ルーヴェンから近いのでホテルを予約しなくても良いですし、今まで行ったビール祭りの中では一番気軽で親しみやすい、という感じがしました。
来年はもっとたくさんの同僚を誘って行きたいと思います。
2010/04/05
ベルギービール・ラリー(2010年4月5日分)
1. “Taras Boulba”. Extra Hoppy Aleと銘打っているだけあり、ホップの香りが華やか。口に含むと、強めの炭酸と苦みが相まって刺激的。ほんのり甘みも感じられ、フルーティでもある。後味はかなり苦い。アルコール度数低め(4.5%)で、さっぱり飲める。おいしい。
2. Taras Boulbaと同じ醸造所の”Zinne Bir”. こちらもかなりホッピーなビール。一口目の刺激がまろやかな分、後味の苦みと複雑さが増した感じ。Taras Boulbaもかなり美味しいが、こちらはもっと好み。
3. これまた同じ醸造所の”Equivox”. カラメル香がしっかり。甘みのある飲み口だが、香ばしさがあるので甘ったるくは感じない。後味は苦い。ぬるくなるとオイリーな感じが出てきて美味しい。
4. ”3 Fonteinen”の”Oude Geuze Vintage”. Vintageというだけあって高い(3.3ユーロ/ 375 ml)。つんと鼻をつく乳酸香。強烈だが、まろやかさもあって不快ではない。口に含むとかなり酸っぱい。お酢を飲んでいるような感覚。甘みはまったくなく、舌に渋みのような、苦みのような重さを感じる。飲み込むと酸味で食道が熱くなるような感覚がある。保存状態の悪いビールとは明らかに異なる、「味」のある酸味だが、なかなか慣れない。これを「おいしい」と言えるようになったら、本当のベルギービール通なのかもしれない。
5. “Geuze Mariage Parfait 2005”. ほんのりぴんくがかったきれいな色。乳酸系の香り、はっきりした酸味、渋み、苦み。これもお酢っぽいが、3 Fonteinenよりもまろやかで美味しい。
6. “Hanssens Artisanaal”の”Oude Kriek”. 果実の甘い香り。Belle-Vue Kriekとは全然違い、しっかりランビックの酸味がある。甘みは微かだが、良いアクセントになっている。飲みやすい。
7. “Deus”. ベルギーで醸造し、フランスで熟成したのち、シャンパンと同じ方法で澱抜きをして作られる特殊なビール。果実のような甘い香りがして、飲み口はちょっとスパイシー。ビールとジンジャーエールのカクテル「シャンディ・ガフ」を思わせる風味。爽やかで飲みやすいが、アルコール度数11.5%なので要注意。
8. “XX bitter”. 爽やかな麦の香り。名前の通り、最初の一口からかなり苦い。舌がチリチリするようなスパイス感もある。後には苦みがかなり長く残る。ちょっと苦すぎる気もするが、刺激が欲しい時には良いかもしれない。
9. “'t Hofbrouwerijk hoftrol”. 柑橘系の華やかな香り。Orvalっぽい?酸味が程よく効いたフルーティな味わい。後からスパイシーさと苦みが感じられる。なかなかおいしい。
10. “'t Hofbrouwerijk hofblues”. チョコレート風の甘い香り。酸味、苦み、香ばしさ。さっぱりして飲みやすいスタウトビール。
11. “Grottenbier”. フルーティな香り。甘さ控えめでスッキリした飲み口だが、カラメルの重み、ホップの苦みも感じられる。バランスが良い。Bruinの中では一番好みかも。
12. “Bos Keun”. ホッピーで華やか、フルーティ。でも、「うん、うまい!」という感じがしない。バランスが悪いのか、保存状態の問題か・・・。
これまでに飲んだのは247種類。
ビールを求めて・・・
自転車で一面に広がる畑を行き・・・
うっそうと茂る林を通り抜けると・・・
”ABS Drinks”という酒屋にたどり着きました。中に入ると、倉庫の様な造りで、棚一面にベルギービールがならんでいます。500種類くらいはあるでしょうか。当然、見たこともない銘柄もたくさんあって、自転車のカゴに入る量を計算しつつ、ワクワクしながら買い物をしました。ビールに夢中になっていて気がつきませんでしたが、ワインコーナー、ウイスキーコーナーも充実していたようです。これは是非、再訪せねば・・・。
今回買ったのはこちら。前面にならんでいるのは大体1-1.5ユーロ(127-190円)。後列右のコルク栓がしてあるものはランビックビールで2-4ユーロ(254-510円)。後列左の大きな瓶はシャンパン風の特別なビールで11ユーロ(1400円)。後列のビールはベルギーで買うにしては高い方ですが、それでもブリュッセルの観光客向けの店(De Bier Tempel)の半額くらいです。
このABS Drinks、我が家から約5.5 kmのところにあります。途中上り下りが結構あってなかなかきついルートですが、運動不足解消も兼ねて、ちょくちょく遊びに行こうかなと思っています。
2010/03/25
ベルギービール・ラリー(2010年3月25日分)
2010/03/19
ベルギービール・ラリー(2010年3月19日分)
1. “Leireken Boekweit Bruin”. Witte, Blondと同様、どうしようもなく酸っぱい。元々おいしくないのか、”Bio(オーガニック)”なので保存に弱いのか・・・。
2. 新しいビールを開拓するため、近くのバーに行って飲んだ”Arend Blond”. 華やかな香り、フルーティーな飲み口で飲みやすいが、ちょっと甘すぎる。
さて、先日大学でビアテイスティングがありました。お遊びではなく、隣の建物にある醸造学科の研究の一環です。今回のお題は「ピルスナービール」。まずは奥にある2種類を飲み比べ、香り、味、後味、総合評価の4点について、どちらが好みか答えます。次に、手前にある2種類について同じことを繰り返します。事情を知っている人によると、奥、手前それぞれの左側に置いてあるビールが同じ銘柄の既製品で、右側が配合を変えた試作品なんだとか。どちらの配合の方が美味しいか、それが既製品よりも上かどうか、ということを調べる訳ですね。
4杯全てを飲み干し、真っ赤な顔でおしゃべりに興じる学生がいたりして、これで研究になるのかな、と最初は思いました。でも、なかなかどうして、「バーのような、リラックスした環境で美味しく飲めるビールを開発する」という目的に沿った、良くコントロールされた実験条件なのかもしれません(何事も適当なベルギーのこと、きっと違うと思いますが・・・)。
ところで、前回の投稿に書いたリス、激写することができました。見づらいですが、写真のど真ん中に子リスがいます。人を全然怖がらず、2, 3 mの距離まで近づくことができました。
これまでに飲んだのは233種類。
2010/03/17
ベルギービール・ラリー(2010年3月17日分)
“Leireken Witte Spelt”. 硫黄のような?ホップの香り。飲むとかなり酸味が効いていて、後味まで酸っぱい。爽やかを通り越していて、ちょっと飲みにくい。
“Leireken Boekweit Blond". Witteよりは華やかな香り。が、飲むとやはり酸っぱい。どちらも大型スーパーで買ったのだが、保存状態が良くなかったのかもしれない。
ところで、ベルギーにもようやく春がやってきたようです。キャンパスでは、いろんな鳥のさえずりが聞こえるようになり、カモのつがいも活発に動き回るようになりました。今日は、リスが3匹じゃれ合っているのも見ました(遠すぎて携帯カメラでは撮れませんでしたが・・・)。日本にいるときは、花粉症ということもあってあまり春は好きではありませんでしたが、こちらの冬を体験した後では、太陽が見えること、暖かいこと、そして生き物の気配がすることのありがたみを実感するようになりました。
これまでに飲んだのは231種類。
2010/03/04
ベルギービール・ラリー(2010年3月4日分)
2010/02/24
ベルギービール・ラリー(2010年2月24日分)
1. Spaで購入した。"Gouyasse Tripel". ホップの香りがかなり効いている。Blondと同じく炭酸強めで華やかな味わい。苦みはやや控えめで、より爽やかな感じ。こちらもおいしい。
2. "Zot". 観光地として有名なブリュージュ(Brugge)のビール。香り、味両方とも華やかなタイプだと思うが、薄っぺらい感じがして飲み応えがない。
3."Maredsous tripel". アルコールと薬草の様な香り。瓶内発酵が進んでいたのか、酸っぱい。後味は割とサッパリ。今ひとつインパクトに欠ける。
4. "Maredsous bruin". カラメルの良い香りだが、やはり酸っぱい。あまり美味しくない。
5. "Grisette Blanche". 酸味が効いてさっぱりした小麦ビール。飲みやすいが、もう少し酸味が控えめな方が好み。
6. "St. Feuillien Cuvee de Noel". カラメル香。口に含むとしっかり苦く、甘みも強い。酸味は余り感じない。苦みは重く、後を引く。後味にスパイシーさも感じられる。なかなかおいしい。
7. Bioショップで購入した“Leireken Bio Wilde Vruchten”. イチゴの様な甘い香り。味は甘ったるくなく、酸味が程よく効いていて爽やか。なかなか美味しいフルーツビール。
8. “Jessenhofke Bruin”. ほんのりホップとカラメルの香りがする。さっぱりした飲み口で、軽い甘みの後に、苦みとスパイシーさが残る。パンチが効いた味ではないが、バランスが良いのか薄っぺらく感じない。なかなか美味しい。
これまでに飲んだのは227種類。
2010/02/11
ベルギービール・ラリー(2010年2月11日分)
1. “Belle Vue Gueuze”. ランビックらしい変わった香り(乳酸香?)や、しっかりした酸味がありつつも、甘さと軽さもあって飲みやすい。「ランビックは苦手」と思っていたが、これは結構美味しく飲めた。
3. ”Ramee Blond”. 柑橘系の華やかな香り。炭酸強めで、フレッシュな飲み口。酸味と、しっかり苦くてちょっとスパイシーな後味のバランスも良い。美味しい。
ベルギービールのバイブル!
今日は5年目の結婚記念日。妻がお祝いにプレゼントをくれました。
そう、ベルギービールの辞典です。1568ページの大作で、何と39ユーロ(5000円近く)もしたそうです。開いてみると・・・。
見開き2ページで1種類のビールが紹介されています。発酵方法(上面、下面、瓶内発酵)、スタイル、醸造所、原料、アルコール度数、色、注ぎ方、飲み頃温度、テイスティングノート、ワンポイント情報が簡潔に書かれています。オランダ語、フランス語だけでなく、英語でも書かれているのがありがたいです。そして、一番下には自分のメモを書き込む覧が。これをビールフェスティバルに持って行けば、一人前のベルギービールマニアかも!? 楽しみがまた一つ増えました。
気がつけば、このブログもこの記事が100号目です。辞典に載っている750種類+αの制覇を目指して、コツコツ(?)飲んで行きたいと思います。これからもどうぞよろしく。