10月24, 25日の週末に、Poperingeという町で”Karakterbieren Festival”というビール祭りがありました。Poperingeはベルギービールに使われるホップのほとんどを生産している町で、ベルギーの北西、フランスとの国境にほど近いいわば「辺境」です。個性的なビールが飲めることを期待して、妻と妻の母の3人で、一泊二日の小旅行に行ってきました。
ルーヴェンから電車を乗り継いで約3時間、Poperingeの町に着きました。期待したとおり(?)、小さくて寂れた町です。まずは宿泊先の“Hotel de la Paix”にチェックインし、ホテルのレストランで腹ごしらえをしました。
準備体操代わりの一杯、”Watou’s Wit Bier”. 小麦ビールにしてはフルーティさ、甘酸っぱさが少なく、その代わり炭酸がきつめでほんのり渋みを感じます。爽やかで飲み心地が良いです(ちなみに、このレストランは大変美味しくて、昼、夜、昼と3回連続で利用しました。グルメ編は妻のブログ「ベルギーの小人の家から・・・」をお楽しみに)。
お腹が一杯になったところで、いよいよビール祭りの会場へ向かいました。会場はホテルの中にあり、300人も入ったら満杯になりそうです。入り口でビール券(一杯150ml=1.5ユーロ)を買い、中に入りました。なんだか高校の文化祭みたいな感じです。会場で飲めるビールのリストも素朴な、というか素っ気ない感じです。今回は時間に余裕があったので、飲む→ホテルで一休み→夕食→再び飲む、という肝臓に優しい(笑)飲み方をしました。
1. Jessenhofkeの”Jessenhofke Maya”. ホームページを見ると、ほぼ個人経営のマイクロブルワリーらしい。珍しいので飲んでみた。ソーセージかパテのような変わった香りがする。炭酸強めで後味はかなり苦い。香りの割には飲みやすい。バランスが取れているということ?次回は別の銘柄を試してみたい。
2. Verhaegheの”Echt Krikenbier”. 乳酸香というのか、変わった香りがする。果実ビールにしては酸味、苦みが強く、かすかに甘い。普通の果実ビールと違って、インパクト大。
3. Duvel-Moortgatの”Liefmans Cuvee Brut”. 2と同じ系統のビールだが、もっと果実っぽいし甘い。飲みやすいが、飲み応えのある2の方が好み。
4. Het Sasの”Sasbrau”. ラガービール。日本のものよりも苦みがしっかりあり、炭酸が強く、味が濃い。アルコールも6.3%と高め。まあまあ美味しい。
5. Sint-Bernardusの”Grottenbier”. 売り切れだったクリスマスエールの代わりに、店員に勧められて。ホップの香りと、木のような香り。フルーティでバランスが取れている。すっと飲めるせいか、店員が「スペシャルなビールです」と言った割には、印象が薄い。
6. Nevejanの”Kerelsbier Blond”. 強烈な硫黄臭があって全部飲めなかった。生ビールだったので、サーバーの清掃不備だったのかもしれない。
7. De Leiteの”Famme Fatale”. 酸味と苦み、わずかな甘みのバランスが良い。後味は苦いが、軽い飲み口。
8. Het Alternatiefの”Hik Blond”. 酔っぱらった店員(お祭りなので店員もしっかり飲んでいる)に、「君はこの会場で一番重要なビールをまだ飲んでいない」と声を掛けられ、これも何かの縁と思って試してみた。リンゴのようなフルーティさがあり、酸味が爽やか。飲みやすくてうまい。店員が自信たっぷりなのもうなずける。
9. 同じくHet Alternatiefの”Bittere Waarheid”. Triple IPAと銘打っているだけあって、強烈に苦い。ほんのり甘く、苦みの割に後味はサッパリしている。今回のNo.2.
10. またまたHet Alternatiefの”Ambetanterik”. 夕食後ということもあり、お腹がたっぷんたっぷんになったので瓶ごと購入してホテルで飲んだ。ギネスと同じスタウトということだが、アルコールの香り、コーヒーのような風味、苦みがしっかりあり、ギネスより断然インパクトがある。決して飲みやすくはないが、寝る前に本を読みつつ、じっくり飲んだらとてもうまかった。今回のNo. 1.
翌日は11時近くまで寝て、ちょっと町を観光した後、前日と同じレストランで昼食をとりました。前日の硫黄臭が何だったのか確かめるために、”Kerelsbier Blond”を頼んでみました。やはり、かすかに硫黄臭を感じる気がしますが、前日とは比べものになりません。ぬるくなるにつれて匂いは気にならなくなり、苦み効いていて美味しい普通のビールになりました。
昼食後は、「ホップ博物館」に足を運びました。ホップの栽培法、加工法(最近まで硫黄を使っていたそうです)、様々なホップの実物展示などがありかなり興味深かったのですが、ビールが飲みたいので、ささっと見てお祭りの会場に向かいました。
11. Lefebvreの”Saison 1900”. 麦の香りがしっかり。炭酸強めで、リンゴのような酸味がある。爽やか。
12. Belgobeerの”Belgoo Magus”. ホップの香りしっかり。フルーティでかすかに甘く、サッパリしている。今回のNo.3. 他の銘柄も試したくなり、瓶も合わせて購入した。後日の試飲が楽しみ。
13. Het Alternatiefの”Tatsevoet”. 酸っぱい味で、ほんの少しカラメル香と甘みを感じる。おいしいが、前日飲んだ時ほどのインパクトはなかった。
14. 同じくHet Alternatiefの”Eerwaarde Pater”. 店員によると、「熟成させてあるので、ワインのような味がする」とのことだったが、酸味が強くてワインのようなコクは感じなかった。ワインと同様、若すぎて飲み頃ではなかったのかもしれない。
今回は、メンバーが3人で、一杯の量が150 mlと少なめで、しかも2日間あったので、いろいろなビールが飲めて大変満足でした。Leuvenでは見ない銘柄、特にHet Alternatiefのビールが飲めたのは大きな収穫でした。来年も是非行きたいと思います。
これまでに飲んだのは158種類。