今回はビールにまつわるオランダ語の話題です。
オランダ語にも、「とりあえずビール」にあたる言葉があります。ベルギーでレストランに入ったら、”Een pintje, alstublieft(イーンピンチェ、アッシュブリーフ)”と言ってみましょう。グラスビールが運ばれてくるはずです。eenは英語の”a”, pintjeは"「小さなパイント(1パイントは大ジョッキくらいの量)」、alstublieftは”please”にあたります。pintjeの語尾、”je”という接尾辞は「小さな~」という意味で、名詞であれば何にでもつけられるようです。個人の名前につけると、幼児に対する呼びかけみたいになります。例えば、「貴之」という名前の人を、親が「たかちゃん」と呼ぶ感じでしょうか。
さて、”Een pintje”と注文すると、出てくるのはその店が扱うラガービールです。「スーパードライ」「一番搾り」といった感じです。せっかくベルギーに来たのですから、他のビールも試してみましょう。メニューには"bier”と書いてあるので、すぐに見つけられるはずです。”Van ‘t vat”と書いてあるのが生ビールです。Vanは”from”、’t vatは”the barrel”です。日本では「やっぱ生が一番でしょう」という話になりそうですが、ベルギービールの場合、冷えすぎていて風味が今ひとつということもあります。そんなときは、”Flessenbier”、瓶ビールを選んでみましょう。普通のカフェで10種類くらい、多いところでは20-30種類くらい置いてありますから、店の人にどんな味か尋ねつつ、あれこれ迷うのも楽しいと思います。
ところで、Leuvenは学生の街ですから、当然飲み屋街があります。”Oude markt(old market)”という広場です。広場を囲むようにして、30軒くらいのバーが並んでいます。昔は、店によって集まる人の出身地が違っていたようですが(「青森屋」「沖縄亭」みたいな感じでしょうか)、今ではBGMが違います。オールディーズからレゲエ、ロックからテクノまで、結構多様です。どの店でも話が出来ないくらいの大音量で音楽をかけてますし、夜が更けてくると、混み合ってなかなかカウンターまでたどり着けません。そこで、Leuven独特の「手話」が生まれました。カウンターに向けて小指を立てて見せると、それは”Een pintje”の意味になります。これは一種の駄洒落で、オランダ語の小指 “pink”と”pintje”の発音が似ていることから来ているそうです。ラガービールでは物足りない、という人は、カウンターに向けて人差し指と小指を立て、「きつね」の形を作って見せましょう。”Duvel(悪魔)”という名前の、アルコール度数8.5%のビールが運ばれてきます。二本の指が、悪魔の角(耳?)を意味するという訳です。
ようやくタイトルの話に来たところで、今回は締めたいと思います。次回は・・・未定です(汗)。