12月11日(土)、12日(日)に、Essenという町で「クリスマスビール祭り」が開かれました。Essenと言っても、ドイツではなく、ベルギーとオランダの国境近くにある小さな町です。ルーヴェンからは片道2時間40分と遠いので、泊まりがけで出かけて来ました。
土曜日は14時スタートだったのですが、寝坊したので会場入りしたのは16時過ぎ。もう座る場所がないくらい混雑していて、熱気ムンムンです。こんな辺鄙な所に集まるなんて、みんな物好きだなと思いました(私もその一人ですが・・・)。
窓口でグラス(保証金3ユーロ)、クーポン(1杯=1.5ユーロ)、テイスティングノート付のビールリスト(2ユーロ)を購入し、いざ出陣。157種類も並んでいて、どれにするか迷ってしまいます。
1. “Van Honsebrouck”の"Premium Gluhkriek”. 寒い日だったので、まずは「ホットビール」から。ベルギーの「熱燗」といったところ。スパイス入りのホットワイン”Gluh wine”にちなんで名付けられているよう。こちらもスパイスとチェリーの香りが豊かでほっとする。少々甘いが、飲みやすくてなかなか美味しい。
2. “DeCam”の”Heite Kriek”. 1と同じくサクランボのホットビールだが、こちらは乳酸?の酸っぱい香りがする。味もランビック特有の酸味が強くて、ちょっと飲みにくい。
3. “St. Bernardus”の”St. Bernardus Christmas Ale”. アルコール度数10%のBarley Wine. 「貴重な生!」との紹介に惹かれて飲んでみたが、冷えすぎていて風味がイマイチ。甘みと苦みのバランスが取れていて飲みやすいが、もっと飲み応えがある方が好み。
4. “De Ryck”の”Chiristmas Ale”. これも生だが、紅茶のような変わった香りがしっかりある。味も甘み、苦み、渋みが複雑に絡み合った不思議な味。個性的でとても美味しいビール。
5. “Dolle Brouwers”の”Sillte Nacht”. アルコール度数12%のBarley Wineで、これも生。フルーティーなホップの香りがするが、味はちょっと甘過ぎ。この醸造所が造る”Orebier”と同じく、ラムネのような変わった風味も感じられるが、甘さに押されてしまっている。ちょっと期待はずれ。
6. 「超レア!」という紹介に乗せられて試してみた“Vissenaken”の”De Nacht”. 青カビチーズのような香りがして、炭酸がほとんど感じられず、味があまり感じられない。妻に言わせると「造ってる途中みたい」。ボトルのコンディションが悪かったのか、それともこの味が「レア」なのか?もったいないけれど、途中で廃棄。
7. 5と同じ醸造所の”Special Orebier Reserva 2007”. 隣のオランダ人と回し飲みをしている内に、写真を撮り忘れてしまった・・・。前述の”Orebier”を、ボルドー産赤ワインの樽に入れて寝かせたという変わり種。カラメルや果実の香りがして、味はかなり酸っぱい。ランビックビールを強烈にした感じで、最初飲んだ時は「何じゃこりゃ」と思ったし、隣のオランダ人も「これは酸っぱすぎるね」との感想。が、慣れてくるとだんだん美味しくなってきて、今ではもう一度飲んでみたいと思えるから不思議。”Reserva 2008”もあるようなので、来年に期待。
と、ここまでが初日。ここでビール祭りならではの「小道具」を紹介します。同じグラスを使い回すので、味が混ざらないよう、次のビールを頼む前に洗います。中にブラシが逆さに突き刺さった容器(左)でグラスをゴシゴシこすり、クラスを入れると横と下から水が出てくる容器(右)でゆすぎます。この装置、ベルリンのバーでも見かけたので、ヨーロッパではポピュラーなのかも知れません。最初はちょっと不潔な感じがしましたが(のべ何百人が洗うわけですから・・・)、酔っぱらったら全く気になりませんでした(笑)。
8. 2日目もやはり寒かったので、最初はホットビールから。”Liefmans”の”Gluhkriek Liefmans”. ランビック特有の酸っぱい香りが鼻につくが、割と甘めで少々渋みもあり、飲みやすくておいしい(寒くてあっという間に飲んでしまったので、写真はなし)。
9. こちらもホットビール。”Timmermans”の”Warme Kriek Chaude”. 果実の甘い香りが心地良い。まろやかで飲みやすい。
10. “Bavik”の”Witterkerk Speciale”. クリスマスビールでは珍しく、アルコール度数低めの小麦ビール。ほんのり甘い香りがして、味はほろ苦い。ラガーっぽくて飲みやすいが、寒い冬には合わない感じがした。
11. “De Ryke”の”ArendWinter”. 4と同じビールだが、こちらは750 mlのボトル内で再発酵させたもの。やはり紅茶のような香りがするが、こちらの方がカラメル香が強い気がする。味もまろやか。4番と並んで今回1番美味しかったビール。
12. “Millevertusの”DouceBrunette”. 前日、お隣さんが勧めてくれたビール。カラメル香と、土、草のような香り。甘みと苦みのバランスが取れていて美味しい。今回の3番目。
13. “Vlier”の”Kessel X-mas”. ちょっとカビのような香りがする。コーヒーのような風味としっかりした苦み。妻は「おいしい」と言っていたが、どうも香りが気になって今ひとつ好きになれなかった。
14. “Abb. N.D. de Saint-Remy”の”Rochefort 8 Cuvee 2008”. Rochefortは結構好きな銘柄で、これを一年間寝かせたものなので期待して飲んだ。カラメル香、ほんのり紅茶のような香り。甘さと苦みのバランスが取れていてまろやか。後味は結構苦い。美味しいけれど、意外に普通。
15. “Proefbrouwerij”の”WinterkoninkskeHaspengouwse Grand Cru(BINK)”. この醸造所は他の醸造所の下請け、もしくはブランド開発を請け負っているらしく、銘柄の後に発注元の醸造所の名前が記載してある。アルコール度数13%というだけあって、しっかりアルコールの香りがする。味はかなり甘い。テイスティングノートには色々書いてあったが、酔いが回ってきていた上に、甘みとアルコール臭が強烈すぎて他の風味はあまり感じられなかった。
157種類制覇するのはとても無理でも、気になった銘柄だけは何とかして飲みたい、ということで買って帰ったビール。レアモノ(と思われる)をゲットできて、車輪付のショッピングカートを持って行った甲斐がありました。
これまでに飲んだのは184種類。
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