2009/12/27

学生はつらいよ

K.U.Leuvenの学生は、12月19日から1月3日まで冬休みです。丸々2週間もあるので、旅行に出かけたりしてのんびり過ごすのかと思うと、そうではありません。前半の1週間は普通のクリスマス休暇ですが、後半はその名も”Study Holiday”と名付けられた、試験勉強のための休暇だからです。休暇明けの1月第2週から、進級をかけたハードな試験が始まります。前半のクリスマス休暇も勉強に充てるのか、一緒にロッククライミングをした学生の一人は、「大学に入って3年、まともなクリスマス休暇を過ごしたためしがない」と嘆いていました。

さて、その試験ですが、基本的には全ての科目に合格しなければならないそうです。新入生には持ち点が3点与えられていて、落第したテストの補完に使えるとか。例えば、数学の合格ラインが20点中10点だったところ8点しか取れなかった場合、「持ち点」の2点を使って合格ラインに達することができる、ということです。この持ち点は留年するか、学年が上がると減っていって、修士課程(こちらでは学部の5年目が修士課程を兼ねています)になると1点になるそうです。

ところで、どれくらいの学生が進級できるのでしょうか?博士課程に在籍する同僚に聞いたところ、我々の所属するFaculty of Bioscience Engineering(生物工学部)では、修士課程を卒業できるのは、入学者の約半数ということです。また、1年目の試験がもっとも厳しく、合格率はだいたい60%だとか。この数字は学部によって異なり、Faculty of Engineering(いわゆる工学部)では、簡単な入学試験で学生を選抜する代わりに、初年度の合格率は75%くらいであり、医学部では入学試験のハードルが非常に高いが、ほとんど全ての学生が進級する、といった具合のようです。

それでは、試験に落第してしまったらどうなるのでしょう?現在修士課程に所属する学生によれば、彼が入学した当初は、何回でも留年、あるいは学部を変更することができたそうです(国の財政負担が大きいので、現在では制限が設けられたようですが)。中には、工学で留年、生物学に転向→生物学で2回留年、政治学に転向→政治学でも2回留年した後、何とか卒業して就職、という強者(?)もいるとか。

私が話をするのは、修士か博士課程に在籍する学生がほとんどです。彼らと接していると、年の割にはしっかりしているな、ふてぶてしいくらいに自信があるな、と感じることがありますが、初年度の厳しい選抜と、その後の試験も突破してきたわけですから、それも当然なのかもしれません。また、落第した学生達も、次の道を選ぶ課程で、否が応でも自分の適性や能力を知るのではないでしょうか。そういった意味で、K.U.Leuvenの学生の方が、学部生、大学院時代の私よりもよっぽど「鍛えられている」という感じがします。

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